デジタルパーマと普通のパーマの違いとは?どっちを選ぶべきか美容師が解説
デジタルパーマと普通のパーマの大きな違いは、施術に熱と乾燥の作用を利用するかどうかです。その違いによって、得意なカール、乾いたときの見え方、向いている髪の長さ、自宅での扱い方が変わります。
ミディアムからロングで、コテで巻いたような弾力のあるカールを乾いた状態で楽しみたいなら、デジタルパーマが有力です。ショートヘアや、根元付近から細かく動くウェーブ、濡れた質感を楽しみたいなら、普通のパーマが合う場合があります。
どちらが上ということではありません。希望する髪型と、現在の髪が施術に耐えられるかで選ぶことが大切です。
デジタルパーマと普通のパーマの違いを比較
美容室で「普通のパーマ」と呼ばれる施術の多くは、熱を使わないコールドパーマです。
まず、主な違いを比較します。
| 比較する点 | デジタルパーマ | 普通のパーマ(コールドパーマ) |
|---|---|---|
| 施術方法 | 薬剤に加えて熱と乾燥の作用を利用する | 主に薬剤の作用でカールを作る |
| 乾いたとき | カールの形と弾力が出やすい | 濡れているときよりカールがゆるくなりやすい |
| 得意な質感 | 立体的でまとまりのある巻き髪 | やわらかく無造作なウェーブ |
| 得意なカール | 大きめ、毛束感のあるカール | 細かい動き、根元付近からのウェーブ |
| 得意な長さ | 主にミディアム〜ロング | ショートからロングまで幅広い |
| 自宅での扱い | 毛束をまとめる乾かし方に慣れる | 濡らし方とスタイリング剤が重要 |
| 持続性 | 長く楽しみやすい | デジタルパーマより変化が早い傾向 |
| 施術時間 | 長くなりやすい | 比較的短いことが多い |
髪質、使用薬剤、カールの強さ、美容師の施術方法によって結果は変わります。比較表は絶対的なルールではなく、選ぶための目安として見てください。
一番大きな違いは「熱を使うこと」だけではない
デジタルパーマは「普通のパーマに熱を加えたもの」と説明されることがあります。初めての方には分かりやすい説明ですが、実際の仕上がりは、熱の有無だけでは決まりません。
私がデジタルパーマで重視しているのは、次の3点です。
- 髪質とカールに合わせて、どのように熱を入れるか
- 1剤の還元作用をどの程度まで進めるか
- 2剤で再酸化を適正に行い、カールを固定できているか
強く反応させれば長持ちするわけではありません。髪の状態に対して薬剤作用が強すぎれば、弾力を失ったり、ダメージにつながったりします。熱が不足しても、必要以上でも、狙ったカールにならないことがあります。
これらを適正に組み合わせることで、髪質による差はありますが、地毛の状態以上に弾力を感じるカールを作れる場合があります。
普通のパーマにも薬剤選定、ロッド、放置時間、固定などの技術差があります。「機械を使うからデジタルパーマのほうが高性能」という理解ではなく、作りたいデザインに適した工程が違うと考えてください。
乾いたときのカールが違う
デジタルパーマは乾いた状態で形が出やすい
デジタルパーマは、髪を乾かしたときにカールの形と弾力が分かりやすいのが特徴です。
夜に毛束をまとめながら乾かしておくと、朝は軽くほぐしてオイルをつける程度で整えられる場合があります。毎朝ゼロからコテで巻く負担を減らしたい方に向いています。
ただし、何も考えずに乾かすだけで必ず美容室と同じになるわけではありません。毛束の持ち方や乾かす方向に慣れるまで、1週間ほどかかる場合があります。特別な練習時間は必要なく、毎日のドライヤーがそのまま練習になります。
普通のパーマは濡れている状態で形が出やすい
普通のパーマは、一般的に濡れているときにウェーブが分かりやすく、乾くにつれてやわらかくなります。
朝に髪を濡らし、ムースやクリームなどをなじませてカールを出すスタイリングと相性があります。無造作な動きや、濡れた質感を楽しみたい方には、普通のパーマが合うことがあります。
「乾かすと弱くなる=失敗」ではありません。その性質を利用して作るデザインもあります。
得意なヘアスタイルが違う
デジタルパーマが得意なスタイル
- ミディアムからロングの巻き髪
- 大きく立体的なカール
- レイヤーカットを生かしたカール
- 毛先だけでなく中間から形が見えるデザイン
- コテで巻いたようなまとまりのあるカール
- 乾いた状態でカールを見せたいスタイル
私にとってデジタルパーマは、ロングヘアからミディアムヘアの女性が巻き髪のようなカールを求めるときに、迷わず選べる最適なパーマです。
普通のパーマが得意なスタイル
- ショートヘアの動き
- 根元付近からのボリューム
- 細かなウェーブ
- 無造作でラフな質感
- ムースなどで仕上げる濡れた質感
- メンズの短いパーマスタイル
普通のパーマでもロングにかけられますし、デジタルパーマでも施術方法によって幅はあります。ただし、髪の長さと希望するカールを見たときに、得意な方法を選んだほうが無理がありません。
持ちの違い
一般的には、デジタルパーマのほうが普通のパーマより長くカールを楽しみやすい傾向があります。
私が担当するデジタルパーマでは、かけ直しの平均的な間隔は8〜12か月で、7〜8か月前後でかけ直すお客様が多いです。これは私の施術経験に基づく数字であり、すべてのデジタルパーマに共通する期間ではありません。
持ちは、次の条件で変わります。
- 髪質
- 施術前のダメージ
- カールの強さと大きさ
- 髪の長さ
- カットでパーマ部分をどれくらい切るか
- 自宅での乾かし方
- 薬剤、熱、固定が適切だったか
普通のパーマでも、髪質やデザインによって長く楽しめる場合があります。「デジタルパーマなら必ず何か月持つ」とは言えません。
また、パーマは突然ゼロになるのではなく、カールが少しずつゆるくなったり、根元が伸びて全体のバランスが変わったりします。「持ち」を考えるときは、カールが残っている期間だけでなく、髪型として扱いやすい期間を見る必要があります。
スタイリング方法の違い
デジタルパーマ
基本は、夜に髪を乾かしてカールを整えます。朝は必要に応じて軽く湿らせたり、オイルをつけてほぐしたりします。
最大のメリットは、コテで作った巻き髪のように、時間の経過だけでカールが簡単に落ちないことです。一方、最大のデメリットは、乾かし方に慣れる必要があることです。
普通のパーマ
朝に髪を濡らしてカールを戻し、ムース、ワックス、クリームなどで形を整える方法が一般的です。
乾かし切らずに質感を残す仕上げもできます。朝に濡らしてスタイリングすることを負担に感じない方には、普通のパーマが扱いやすい場合があります。
どちらが簡単かは、生活習慣によって変わります。夜にしっかり乾かしたい方はデジタルパーマ、朝に濡らして質感を作りたい方は普通のパーマと相性がよい傾向があります。
ダメージの違い
どちらも薬剤を使うため、髪への負担がまったくない施術ではありません。
デジタルパーマは熱を使いますが、それだけを理由に「普通のパーマより必ず傷む」とは言えません。普通のパーマでも薬剤作用が強すぎたり、髪の状態に合っていなかったりすればダメージにつながります。
重要なのは、施術名よりも次の点です。
- 現在の髪に施術できる体力が残っているか
- 過去のブリーチ、縮毛矯正、髪質改善を把握しているか
- 薬剤作用を必要以上に進めていないか
- 熱を適正に使っているか
- 2剤でカールを十分に固定しているか
私は、2回以上ブリーチした部分がある髪、強烈なツヤが出る髪質改善を繰り返した髪、濡らしたときに芯を感じないほど傷んだ髪には、デジタルパーマを施術しない、または非常に慎重に判断します。
トリートメントを追加すれば、施術できない髪にも安全にパーマをかけられるわけではありません。
料金と施術時間の違い
一般的には、専用機器を使い工程も多いデジタルパーマのほうが、普通のパーマより施術時間が長く、料金も高くなる傾向があります。
野田ともるの新規のお客様は、デジタルパーマとカットで38,500円(税込)、施術時間は約4時間が目安です。髪の状態や同時メニューによって前後します。
普通のパーマの料金と時間は、美容室や施術内容によって異なります。単純な価格差だけでなく、カウンセリング、髪の履歴確認、自宅での再現方法まで含まれているかを確認してください。
デジタルパーマが向いている人
- ミディアムからロングの女性
- コテで巻いたようなカールが好き
- 大きく弾力のあるカールにしたい
- 乾いた状態でカールを出したい
- 朝のコテ巻きを減らしたい
- 夜のドライヤーで髪をきちんと乾かせる
- 乾かし方に1週間ほどかけて慣れられる
普通のパーマが向いている人
- ショートヘアや短めのスタイル
- 根元付近から動きを出したい
- 細かく無造作なウェーブが好き
- ムースなどを使った濡れた質感が好き
- 朝に髪を濡らしてスタイリングできる
- 巻き髪より、ラフな動きを求めている
デジタルパーマと普通のパーマ、どっちを選ぶ?
ミディアム〜ロングで巻き髪にしたい
デジタルパーマが有力です。乾いた状態で大きなカールを見せやすく、コテを使う回数を減らせます。
ショートで根元から動かしたい
普通のパーマが向く可能性があります。デジタルパーマのロッドは熱を持つため、頭皮に近い根元まで巻くデザインには制約があります。
朝はスタイリングしたくない
「何もしたくない」という条件だけでは決められません。
デジタルパーマも、夜のドライヤーでカールを整える必要があります。普通のパーマは、朝に濡らしてスタイリング剤をつけることが多くなります。朝と夜のどちらに時間を使えるかで考えると選びやすくなります。
髪が傷んでいる
パーマの種類を選ぶ前に、施術そのものが可能かを判断します。
ブリーチ、縮毛矯正、髪質改善などの履歴を伝えずに予約すると、美容室へ行ってから施術できないと分かることがあります。履歴が複雑な場合は、予約前に現在の髪の写真と施術履歴を確認してもらうことをおすすめします。
よくある誤解
デジタルパーマは普通のパーマの上位版?
上位版ではありません。得意な髪型と仕上げ方が違います。巻き髪にはデジタルパーマが合いやすくても、ショートの無造作な動きには普通のパーマが適する場合があります。
デジタルパーマなら何もしなくていい?
何もしなくてよいわけではありません。乾かし方に慣れる必要があります。ただし、毎日のドライヤーの中で自然に覚えられ、1週間ほどで扱いやすくなる方が多いです。
デジタルパーマなら必ず長持ちする?
施術名だけでは決まりません。薬剤反応、熱、固定、髪質、ダメージ、カット、自宅での扱いが関係します。
普通のパーマは古い技術?
古いから劣っているわけではありません。普通のパーマでなければ作りにくい質感やデザインがあります。
よくある質問
デジタルパーマとコールドパーマは違いますか?
コールドパーマは、一般に熱を使わず薬剤でカールを作る普通のパーマです。デジタルパーマは薬剤に加えて熱と乾燥の作用を利用するホット系パーマです。
普通のパーマがかからなかった人でもデジタルパーマならかかりますか?
髪質と失敗原因によります。普通のパーマでは出にくかった弾力を、デジタルパーマで作れる場合はあります。ただし、ダメージが原因でかからなかった場合は、デジタルパーマも施術できない可能性があります。
デジタルパーマはコテで巻かなくても大丈夫ですか?
パーマだけでカールを楽しめるように施術します。夜に正しく乾かしておけば、朝はオイルをつけて軽く整える程度で済む場合があります。
くせ毛にはどちらが向いていますか?
くせの強さ、出る位置、希望する髪型によって変わります。毛先へカールを足すだけでよい場合と、根元からストレート施術を組み合わせる必要がある場合があります。
ブリーチ毛には普通のパーマならできますか?
普通のパーマなら安全とは限りません。ブリーチによるダメージが大きい髪は、パーマの種類にかかわらず施術できない場合があります。
まとめ|パーマの名前ではなく、なりたい髪型で選ぶ
デジタルパーマと普通のパーマの主な違いは、熱と乾燥の作用を利用するかどうかです。その違いによって、乾いたときのカール、得意な髪の長さ、質感、スタイリング方法、持続性が変わります。
ミディアムからロングで、コテで巻いたような弾力のあるカールを求めるなら、デジタルパーマが有力です。ショートや根元からの動き、細かなウェーブ、濡れた質感を楽しみたいなら、普通のパーマが向く場合があります。
大切なのは、どちらが優れているかではなく、自分の髪と希望するデザインにどちらが合うかです。
過去のブリーチ、縮毛矯正、髪質改善などがある場合は、パーマの種類を自分で決める前に、施術できる状態かを確認してください。できない理由まで説明してもらうことが、パーマで後悔しないための大切な判断材料になります。
今のデジタルパーマは、コテ巻きのようなカールまで作れる
普通のパーマとの違いを『熱を使うかどうか』だけで終えると、いちばん大切な部分が抜けます。デジタルパーマでは、熱による乾燥作用を利用し、髪質による差はありますが、地毛以上の弾力を持つカールを目指せます。
僕が見るのは、1液が適切に作用しているか、熱が必要なところまで入っているか、2液で形をきちんと固定できているかです。どれか一つが弱いままだと、乾かしてもプリッとしたカールが出ません。
『捻って乾かしてもコテ巻き風にはならない』は誤解です
美容師の中にも、コテ巻き風の仕上がりを見て『これはコテで巻いている』とお客様へ説明する人がいます。でも、条件がそろえば、捻って乾かすだけでコテ巻きに近い質感は作れます。僕自身も昔は無理だと思っていたからこそ、できるようになるまで長く研究してきました。
ダメージの差は、施術名だけでは決まらない
デジタルパーマは熱を使うため特別に傷む、普通のパーマなら安全、とは言い切れません。僕の感覚では、適切に行えばダメージは普通のパーマと大きく変わりません。反対に、薬剤選定や放置時間、熱の扱いを間違えれば、どちらでも傷みます。
選ぶ基準は、欲しいカールと毎日の扱い方
ロング〜ミディアムで、乾いた髪に26mm・32mmのコテで巻いたような弾力が欲しいなら、デジタルパーマを考えます。根元から細かな動きや短いスタイルなら、普通のパーマが合うことがあります。どちらが上ではなく、家で作りたい髪型から逆算します。
